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2025/07/15 11:13

【種一揆】 第七話 「お中元にはお米がおすすめ」

お中元の由来

古代中国では道教の三官信仰というものがあり、天神を三元の日に祀りました。三元とは、上元、中元、下元で、それぞれ陰暦の1月15日、7月15日、10月15日でした。さらに、上元の日には天神様を、中元の日には慈悲神様を、下元の日には水官(水と火を防ぐ神様)を祀ったといわれています。

この三元の教えは、中国古来の思想である陰陽五行説や道教の教えと深く結びついており、自然の摂理に従って生活することの大切さを説いていました。特に中元の時期は、一年の半ばにあたり、豊作を祈願し、先祖への感謝を表す重要な時期とされていたのです。

お中元に贈り物をする慣わし

三元のうち、中元の慈悲神様が仏教の盂蘭盆会(お盆)の行事と結びついて日本に伝わり、7月15日に仏様に備える供物を親類や隣近所に送る習慣ができたようです。今でも中元といわず、盆礼とよんでいるところがあるのはこのためと思われます。

また、八朔(田の実の節供)という、初穂を送る風習もお中元の起源の一つとも言われます。八朔は旧暦8月1日のことで、この時期に田んぼの稲が実り始めることから「田の実」と呼ばれ、「頼み」と音が似ていることから、お世話になった人への感謝の気持ちを表す贈り物をする習慣が生まれました。

こうした習慣が、江戸時代に商人文化の発達とともに庶民一般の贈答行事へと広まり、今日のようなお中元になりました。特に江戸時代後期には、商売上の付き合いを深める重要な行事として定着していったのです。

お中元を送る時期

お中元を送る時期は地域によって異なりますが、一般的には以下のような時期に送られます。

関東地方では7月初旬から7月15日頃まで、関西地方では7月中旬から8月15日頃までが一般的です。これは、関東では新暦でお盆を迎えるのに対し、関西では旧暦に近い月遅れ盆の文化が残っているためです。

近年では、全国的に7月中に送ることが主流となっており、遅くとも7月20日頃までには届くように手配するのがマナーとされています。もし時期を逃してしまった場合は、「暑中見舞い」として8月7日頃まで、それ以降は「残暑見舞い」として贈ることができます。

お中元にはお米がおすすめ

日本人の主食としての意味深さ
お米は日本人にとって単なる食材ではなく、文化的・精神的な意味を持つ特別な存在です。「米」という漢字は「八十八」の手間をかけて作られることから、農家の苦労と自然の恵みへの感謝が込められています。お中元でお米を贈ることは、相手の健康と幸せを願う深い思いやりの表現なのです。

実用性の高さ
お米は毎日消費する主食であり、どのご家庭でも必ず必要とされる食材です。賞味期限も比較的長く、常温保存が可能なため、受け取る側にとって非常に実用的な贈り物となります。特に質の良いお米は、普段なかなか購入する機会の少ない特別な品種を味わっていただく良い機会にもなります。

原種・在来種米穀店「いちたね」のお米ギフト

100年先に残したい昔ながらの品種で、農薬・化学肥料不使用のお米を大切にお届けするギフトボックスです。

「お米は生ものなので熨斗(のし)が不要」としておりますが、贈答マナーを気にする方も多いため、当店では「帯紙」をお付けすることで、十分に礼儀を示すことができるようにしています。

大切なあの人へ、あなたのやさしい気持ちをお米の贈り物で届けませんか。

おわりに

お米という贈り物は、古来より続く日本の美しい文化と、現代の実用性を兼ね備えた、まさにお中元にふさわしい品物といえるでしょう。相手への思いやりの心を、毎日の食卓を通じて長期間にわたって伝え続けることができる、特別な贈り物なのです。